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30th June 2023 | Author: Kevin Nott
核磁気共鳴 (NMR) 技術は科学分析に革命をもたらし、さまざまなサンプルの組成や分子構造に関する比類のない知見を提供してきました。時間領域NMR (TD-NMR) をベースとした卓上型分析装置の登場により、この技術のアクセシビリティや汎用性がさらに向上し、核磁気共鳴のパワーがラボのベンチにもたらされました。このブログ記事では、卓上型核磁気共鳴装置の重要な利点を5つ紹介します。
卓上型核磁気共鳴 (NMR) 分析装置は、迅速で正確な分析を提供します。MQC+のような装置は、数分以内(多くの場合、わずか数秒以内)に結果を出すことができるため、ユーザーは大量のサンプルをすばやく効率的に処理することができます。さらに、NMRのシグナルはサンプルの表面だけでなく、あらゆる部分から生成されるため、正確で包括的な結果が得られます。NMR測定のスピードは、その高い精度と相まって、日常的な品質保証や品質管理アプリケーションに不可欠なものとなっています。
NMR測定の非破壊性は、科学的に重要な利点です。たいていの場合、サンプルの前処理はほとんど、あるいは全く必要ありません。このため、繰り返し測定が可能となり、しばしば破壊的な手法と直接比較でき、将来の研究(例えば油糧種子)のために完全性を保つことができます。これは、入手が困難なサンプルや高価なサンプルを扱う場合に特に有益です。このレベルの分析がワークベンチ上で直接行えることは、世界中のラボにとって非常に重要なことです。
卓上型NMR分析装置は、油や水、フッ素、固体油脂(脂肪)など、さまざまな分析対象を測定することができます。また、ポリマーの結晶化度/密度や分子量などの材料の物理特性も測定できます。このように幅広く応用できるため、卓上型NMR分析装置は、食品・農業から石油化学まで、幅広い産業で重要な存在となっています。
卓上型NMR分析装置は、組成や物理特性を測定するための高信頼性・高精度なプラットフォームを提供します。これらの装置の精度や信頼性は、正確さが重要なアプリケーションに最適です。シンプルな線形校正プロセスにより、測定精度がさらに向上し、一貫して信頼性の高い結果が保証されます。
卓上型NMR分析装置は、当然ですが、従来の高磁場NMR装置よりもお求めやすい価格となっています。しかし、価格を重視したからといって、性能が損なわれるわけではありません。メンテナンスコストやランニングコストが低く、危険な溶媒や化学物質を必要としないため、幅広い産業や用途で費用対効果の高い選択肢となります。
オックスフォード・インストゥルメンツでは、コンパクトで使いやすく、費用対効果の高いパッケージでNMR技術のあらゆる利点をラボにもたらすために、卓上型NMR分析装置MQC+を開発しました。MQC+は、さまざまなサンプルを迅速・正確・非破壊で分析します。アプリケーションに必要なソフトウェアとサンプリングアクセサリがすべて付属しており、さまざまなアプリケーションやサンプルサイズに対応できるよう、多様で堅牢なサンプルホルダーを取り付けることができます。
MQC+は、さまざまな産業において湿式化学分析に代わる理想的な分析装置です。これを、農産物・食品中の油脂含有量や、燃料中の水素含有量、石油製品中のワックス含有量、粉体中のフッ素含有量などの測定に適用できることが実証されています。ラボの生産性や効率を高めるために、MQC+はMQ-Autoサンプルオートメーションシステムと併用することができます。詳細は、MQC+ のカタログ (英語)*をご参照ください。MQ-Autoは、さまざまなサンプルラックとコンディショニングステーションを備えた高性能ロボットアームです。MQC+による分析能力の強化についての詳細は、弊社までお問い合わせください。
*日本語カタログをご希望の場合は、こちらよりダウンロードいただけます。
Kevin Nott,
Product Manager - Time Domain NMR, Oxford Instruments
Kevin has worked at Oxford Instruments since May 2005. Kevin was previously at the University of Cambridge where he researched into non-medical applications of TD-NMR and MRI.